中判トップ画像
photo by Zengame





中判の特徴

現在のデジタルカメラにおいても、便宜的にフイルムサイズに由来する名称が主にイメージセンサーとレンズに使われています。イメージセンサーのフルサイズは、かつて一番普及していた135判のフイルムサイズである、36×24㎜と同寸のセンサーに付けられた名称であるし、APS-Cは90年代に135判に変わって普及させるべく策定された、アドバンストフォトシステム(APS)のフイルムサイズから来た名称です。(APSには、H、C、Pの3つのトリミングサイズがありました)

中判サイズもまたフイルムの中判から来ています。そのフイルムの中判には色々なサイズが有りましたが、その中で一番小さなサイズである6×4.5cm判(645判)でもそのサイズは、56×41.5㎜と現在唯一の国産中判ミラーレスカメラである、FUJIFILM GFX 50Sのセンサーサイズ43.8×32.9㎜よりも一回り以上大きなサイズでした。しかし、フルサイズ版より大きいサイズであるため、便宜上中判サイズと呼称されています。

大きなセンサーサイズが画質に与えるメリットは色々と考えられますが、その第一はやはり無理なく高画素に出来ることでしょう。ちなみにGFX 50Sは、約5140万画素という画素数を誇ります。現在では、フルサイズセンサーでも4000~5000万画素クラスの高画素カメラは存在しますが、やはり物理的にセンサーの面積が広い方が一つの画素(フォトダイオード)を大きなサイズに出来るので、1画素に十分な光を取り込め、無理なく高画質を実現できるでしょう。

また、大きな背景ボケを得やすいのもラージフォーマットの特徴です。そして、写真のボケ具合は以下の条件で全てが決まります。

  1. F値(いわゆるレンズの明るさで、F4などの表記が小さいほどボケる)
  2. レンズの焦点距離(50㎜などの表記が長いほどボケる)
  3. カメラと被写体の距離(遠いほどボケる)
  4. 被写体と背景(ボケる対象物)との距離(離れているほどボケる)

フルサイズと中判で、同じ被写体を同じF値と画角で写した場合、中判の方が焦点距離の長いレンズを使う事になり、被写体から離れる事になるので、より大きなボケを得る事が出来るのです。ただし、センサーサイズが大きくても、レンズのF値と焦点距離が同じなら、得られるボケの大きさは同じになるので注意して下さい。

そして、中版ミラーレスカメラ最大の特長は、日中の屋外など条件の良い時なら、手持ち撮影できるサイズと重量になった事でしょう。フイルムカメラの時代にもレンジファインダータイプでは、手持ち撮影できる機種もありましたが、一眼レフタイプのカメラは、大きく重く三脚に固定して撮影するのが普通のカメラでした。そして、普及価格で発売された中版デジタルカメラの先駆者、PENTAX 645シリーズも一眼レフタイプだったため、長時間の手持ち撮影には厳しいサイズと重量のカメラです。

しかし、GFX 50Sはミラーボックスと光学ファインダーの無いミラーレス構造故に、手持ち撮影出来るサイズと重量に収める事が出来たのです。そしてまた、クイックリターンミラーの振動が無いため、微ブレにも強いカメラになりました。

中版ミラーレスカメラは、まだ始まったばかりのジャンルで2017年現在まだ国産では、富士フイルム一社しか製品を発売していませんが(一眼レフを含めてもリコー(PENTAX)の二社)GFX 50Sが販売面で成功を収めれば、その他のメーカーも追随するかも知れませんね。今後の動向を楽しみに見守りましょう。