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35mmフルサイズの特徴

35㎜フルサイズは、フイルムの時代からカメラに親しんでいた方には一番馴染みのあるフォーマットだと思います。また、デジタルから始めた方にとっても「いつかはフルサイズ」と思っている(思っていた)憧れのフォーマットかも知れません。いずれにしても、35㎜フルサイズ対応以外のレンズの画角を35㎜換算でも表記する様にあらゆるカメラフォーマットの基準になっているのは間違いなく35㎜フルサイズだと思います。35㎜版は、普及したフイルムサイズの中では一番小さなサイズでしたが、それゆえに小型軽量で安価なカメラを作る事が出来て、一般家庭にカメラを普及させる原動力になりました。35㎜版ロールフイルムは、駅のキオスクや行楽地の売店などでも入手出来たので、その利便性により数多くの思い出のシーンが撮影された事でしょう。もちろん、ある程度の画質が担保されていた事も普及した一因でした。

その後コンパクトカメラから、徐々にデジタルカメラが台頭し始めましたが、センサーサイズは豆粒ほどの大きさでした。しかし、センサー開発力や生産技術が上がるにつれて大きなサイズのセンサーが安く作られるようになり、21世紀を目前にした1999年、それまで200万円近くしたデジタル一眼レフの価格を65万円まで下げた、Nikon D1 が発売された事により、遂に民生用としてのデジタル一眼レフの時代が幕を開けました。しかし、その当時のセンサーサイズはまだAPS-Cサイズが主流でした。フルサイズセンサーの歩留まりはまだまだ悪く、とても高価になってしまった為でしょう。

そして2002年。フルサイズデジタル一眼レフカメラの扉を開けたのは、もう一方の雄 Canonで、その機種はEOS-1Dsでした。このカメラは後継機のMarkⅡと2005年に発売されたフラッグシップ機以外での初めてのフルサイズ機EOS 5Dと共に、2007年にNikonがD3でフルサイズデジタル一眼レフカメラの発売に漕ぎ着けるまで、国産ブランド唯一のフルサイズデジタル一眼レフとして君臨しました。(同じ2002年に京セラからContax N Digital が世界初のフルサイズデジタル一眼レフとして発売されましたが、商業的には失敗に終わりました)

EOS 5Dは、その後も順調に代を重ね現在のEOS 5D Mark Ⅳ までずっと、フルサイズデジタル一眼レフの中心的存在となっている事はご承知の方も多いと思います。

初めてのミラーレスカメラが発売されたのは2008年で、それからマイクロフォーサーズとAPS-Cセンサーを積んだ機種が次々と発売されましたが、フルサイズミラーレスカメラはなかなか現れませんでした。しかし2013年末、遂にSONYからα7と高画素モデルのα7Rが同時発売されました。そして、2017年に発売されたα9でNikonとCanonのフラッグシップ機と肩を並べる程の性能に成長しました。

現在のところフルサイズミラーレスカメラは、SONYからしか発売されていませんが、α7シリーズの無印、R(Resolution)、S(Sensitive)を旧型と新しいⅡ型の計6機種。そしてα9を合わせて計7機種がラインナップされています。また、レンズラインナップも拡充され高性能モデルから普及モデルまで充実してきました。

富士フイルムから、中版ミラーレスカメラが発売されましたが、普通のアマチュアが扱えるフォーマットサイズとしては、やはり35㎜フルサイズが最大サイズでしょう。その35㎜フルサイズ最大の利点は、大きなセンサーサイズを生かした高画質です。SONYのカメラを例にすると、Rモデルではその大きなセンサーサイズを画素数を高める事に使い、その事により高解像度の画像が生成できます。またSモデルでは、広大な35㎜フルサイズセンサーをスマホのカメラより少ない約1200万画素にする事により、1画素でより多くの光を取り込む事が出来て、高感度性能が高くダイナミックレンジの広い画像を生成する事が出来る様にしています。無印は、バランス重視と言えるでしょう。この様に一口に高画質と言っても色々な側面がありますが、いずれにしても画質を重視し、かつ現実的な価格のカメラを探している方にとっては、35㎜フルサイズが一番適したセンサーサイズだと思います。